福岡同友会中央支部「翌檜」記事

福岡同友会中央支部の情報誌「翌檜(あすなろ)」193号(2011年3月15日発行)に紹介していただきました。

掲載ページはこちらをクリック→翌檜(あすなろ)2011年3号6~7P(1.4MB、PDF)

<企業訪問2011 3月号> 取材:貞池龍彦氏

「どんな料理もコレひとつ!」。煮物、揚げ物、炒め物などにいれるだけで美味しいおふくろの味のできあがり。そうです!今日はおだしたっぷり、おしょうゆ味の粉末調味料「まんま」の製造・販売元である瀨口さんをお訪ねし、「まんま」に対する熱い思いをお聴きしました。

貞池 早速ですが、「まんま」のお話を伺いたいと思います。なぜ、「まんま」という商品を作ろうと思ったんですか?
瀨口 この仕事に関わるようになった理由は、私の息子がひどいアトピーだったからです。私たちのように悩んでいる人たちのためにも安心・安全な調味料が求められていると気づきました。丁度、高度成長の時代でスーパーが進出してきて、美味しいものがいつでも安く手に入る時代になりました。家族全員がお母さんの手料理で食卓を囲む機会も少なくなって、家庭料理が崩壊していく中で、食文化の良さと食の大切さを今の若いお母さん達に伝えたい。それが私達の使命でもあると感じました。そこで主婦歴数十年の平均年齢60歳以上の主婦が集まって新しい会社を立ち上げ、商品開発に取り組んだんです。

貞池 今からどのくらい前のお話ですか?
瀨口 会社を立ち上げて今年6月で丸5年になります。昆布・かつお・椎茸などこだわり素材を使用して、とにかく良い商品を作ろうと、あーでもないこーでもないとやっているうちに、化学調味料無添加・保存料・着色料なしの安心・安全で健康志向のこだわり調味料が完成しました。
貞池 いくらで販売されているんですか?
瀨口 4袋1セット1㎏を5,565円で販売しています。店頭販売は1袋1,500円です。賞味期限が6ヶ月ですから、できるだけ早く販売しないといけないんですが。

貞池 どんな方法で販売されているんですか?
瀨口 主に料理教室を開いて、「まんま」を使った旬の料理を皆さんに実習していただき、試食していただくんです。

貞池 それはどんな料理教室ですか?
瀨口 「まんま」を使って短時間で簡単にできる料理を指導しています。一汁三菜のオリジナルメニューなんですよ。
貞池 それで皆さんの評判はいかがですか?
瀨口 それはもう大変喜んでいただいています。たとえば1月は冬大根が美味しい季節ですよね。葉っぱから、大根の先っぽ、また大根の皮も捨てることなく、すべてを料理に使うんですよ。「まんま」を使って料理をすると、信じられないくらいおいしく出来上がるんです。だから、料理下手の若いお母さんや働いているお母さんたちはとても感動されます。
貞池 なるほど。
瀨口 なかには自然野菜を使ったことがないというお母さんがいらっしゃいました。料理に使うのはすべて冷凍食品だったんです。それには私達も驚きました。里芋に「まんま」を入れて煮るだけの料理が美味しく出来上がり、びっくりされました。このようなコミュニケーションを通じて、ただ売るだけではなく、若い人達の相談相手になっていることが私達年配者のやりがいになっている部分もあります。

貞池 そうなんですね。
瀨口 何と言っても私達には各々数十年の主婦歴がありますからね。ところが経験ばかりで話をしていては裏づけがないので、昨年、食育インストラクターの資格も取得したんですよ。そこで、よそでは経験ができないような料理教室を運営し、そのことを通じて「まんま」が拡がるように努力している真っ最中です。「まんま」は高額だと感じられるようですが、こうして使い方を覚えていただければ、家族での外食を一回減らしていただくだけで手が届くに価格です。
貞池 ご利用者の評判はいかがですか?
瀨口 何と言っても、お子さんから「お母さんの手作りがおいしい」と言われるようになったという話を聞かせていただくのが一番うれしいことです。その家、その家に見合った家庭の味、それが子供にとって母親の味なんですね。それが子供に伝わっていきます。そして、将来お母さんと同じような味を見よう見まねで作るようになる。これが食文化の継承だと思うんです。この調味料を通じて、食の安全の大切さや、家庭の食卓文化の保護、家族団らんの大切さを伝えていきたいと思っているんです。

貞池 それはとても素晴らしいことですね。
瀨口 私達は日本の食文化の良さを知っていただくと同時に、若いお母さん方にぜひ継承してもらいたいと考えています。「まんま」を使えば、どんな食材でも簡単においしく、しかも無添加で食べられます。先ほどの里芋もそうですが、肉じゃがもそうです。ところが、ご家庭でせっかく作っても「フライドポテトの方が良い」という40歳代のご主人もいらっしゃいます。ファーストフードで育った世代です。それと、個食の時代と言われていますね。お父さんの仕事が遅かったり、お子さんが塾や部活で遅くなったり、それは避けられないことでしょうが、しかし、お母さんがちょっと声をかけてあげて、食を通じて触れ合う時間、家族団らんを工夫して作ることが大切じゃないかと私達は思うんですよ。それが、本当に昔のように、イリコや昆布のだしを取るのに30分もかかるんであれば大変でしょうけど、「まんま」は入れるだけでいいんですから。
貞池 「まんま」になぜ一所懸命に取り組んでいらっしゃるのかがよく判りました。
瀨口 主人からは「女は夢だけでよくやれる」と冷やかされています。何とかこれまでやってきましたが、これからは事業として伸ばし、若い人達に引き継いでいかないといけません。そのためには理想ばかりじゃなくて、売上に何とか結びつけて、ある程度の収入が得られるようにしなくて…と思っているところです。

貞池 今現在、教室はどのくらい運営されているんですか。
瀨口 福岡市内を中心に久留米、北九州、佐賀、別府など、ざっと数えて十数箇所ほど。開催は月に一度や隔月でその教室によって異なります。またご希望があれば、日程等を打ち合わせて出張教室もやっています。
貞池 そう言えば県の経営指針書作成の勉強会に参加されていましたね。
瀨口 そうなんですよ。ちゃんと勉強をして会社らしくしなくてはと思い、参加しました。経営理念はできたのですが、やはり数字と戦略が今ひとつです。
貞池 そうですね。やはりビジネスですから大きく儲けないにしても、経営として成り立たせていく必要がありますね。でも、楽しそうにやってらっしゃるんで、うらやましい限りです。

《取材を終えて  貞池 龍彦》
オリジナル商品を持った方達の話は本当に夢と発展性があるなと感じた訪問でした。
「まんま」のほかにも、家族みんなが安心して食べられる安全な調味料シリーズとして、深い味わいの健康酢「まろやか酢」、濃厚な豚骨・鶏ガラエキス「まんまのぱいたん」も製造・販売されています。
取材の前週は台湾で開催中の国際花博に行かれて、入賞されたとのこと。瀨口さんは生け花の教授でもあったんですね。何をするにも一所懸命に取り組む方なんだなと思いました。